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快適なはずの省エネマンションリノベで玄関の靴にカビが発生!暮らしてわかった湿気の落とし穴
今日は8月15日、終戦記念日。「戦争が二度と起きませんように」そんな想いを、いつもより思いながら過ごす一日ですね。こんにちは、RENOBEESのカデカルです。当時、戦場に向かった若者たちが、息子たちとそう変わらない年齢だったことを思うと、本当に胸が苦しくなります。もう絶対にあんなことを繰り返したくない!毎日のニュースで核兵器や軍事の話題が取り上げられるたびに、どうなっていくんだろうと不安を感じます。「ただいま」って家族が帰ってくる声が聞こえる毎日が当たり前じゃないことをあらためて感じる1日です。
この先もずっとずっと、平和に暮らしていけますように。
今日は少し静かなお話から入りましたが、ここからは、今、私が暮らしている省エネ仕様マンションのお話です。現在、カデカルはRENOBEESが2年前に実験として”省エネ仕様”にリノベした築40年のマンションに家族で暮らしています。実際の住みごこちをリアルに検証しようと昨年11月に引っ越しました。
毎日、「〇〇県では連日35℃越え…!」そんなニュースを見るたびに驚きますが、沖縄の暑さってどちらかというと気温よりも湿度の高さがきついなぁと感じます。外に出た瞬間とか日中のエアコンを切った家に帰ってきた時のムワッとした空気に包まれる感じ…あの体にまとわりつく暑さ、毎年こたえませんか?
この省エネ仕様マンションリノベは、沖縄と気候が違う湿度の低い本土と同じような断熱施工をしても問題がないのか検証しようとリノベした物件で、全館空調、高効率エアコン、断熱材、内窓、熱交換型換気システムなどを取り入れました。実際に住んでみると、機器の性能スペックだけでは乗り越えることが難しい現実も。今日はその中の玄関の湿気問題について書いてみたいと思います。
8月現在、エアコンの設定温度26℃で、LDKの室温24.8℃・湿度62%でなかなか暮らしやすい環境です。で…、玄関はというと28.6℃・湿度74%。雨の日はさらに湿度が上がります。気づいたときにはスエードのスニーカーにカビが!!息子が誕生日にプレゼントしてくれた大切なスニーカーなのに!!!これは放っておけない!!…と原因と対策を考える日々が始まりました。

エアコンの設定温度は26℃、外気温は30℃(曇り時々晴れ)

LDKの温度24.8℃、湿度62%

玄関→温度 28.6℃、湿度74%
今回、リノベの際に玄関と廊下の間には、空気のワンクッションとして「風除室」を設けました。風除室、ちょっと聞きなれない言葉ですが、イメージしやすいところでいうと、コンビニの入口で外の自動ドアが開いても、すぐ店内じゃなくて「小さいスペース」があるあの感じです。室内の空気が一気に逃げないように、外と中の空気を直接つなげない工夫の場所です。住宅にもあんな感じのワンクッションを取り入れて、外気を家に入れにくくしようという考えです。築古マンションの玄関ドアは気密性も断熱性もほとんどなく、隙間からの熱気・湿気が入り放題。少しでも外気の侵入を防ぐために風除室を取り入れましたが、湿度のコントロールには限界が…。郵便物をドアポストまで配達してくれるのですが、お便りをいれた後の隙間からの風が気になり始め、湿度と関係しているのでは?と考えるようになりました。

昔ながらのドア。隙間風や虫の侵入も気になる・・・。
そこで、最初は養生テープや100均のプラダンを貼ってかんたんに塞いでみましたが、効果は…イマイチだったため、ちょっとお金を掛けてネットで見つけた既製品のガードを取り付けてみました。内側からドアポストをしっかりと封鎖できる商品で、防犯上も安心!取り付け後、玄関の環境は28.6℃・湿度74%→28.0℃・湿度70%に改善(ほんの少しだし、これが効いているのかはまだ不明)。劇的とは言えないまでも、空気の流れがなくなり、玄関の「ムワッとこもり感」が明らかに軽減されました。これは一歩前進かも!うちの玄関は全館空調のエリア外。もしも空調を玄関まで延ばしたとしても、玄関ドアの気密性が低ければ空調効果は半減。エアコンって、温度は調整できても、湿度までは完璧じゃないんです。だからこそ——「まず塞ぐ」を試してみました。
この省エネマンションリノベでは、本土で推奨される省エネリノベの考え方をベースに、次のような仕様を取り入れています。
- 窓:内窓を全室に設置
- 壁:外気に面する壁に高性能断熱材を施工(高気密施工)
- 空調:高効率エアコン1台+全館空調設計
- 換気:全熱交換型の24時間換気システムを採用
- キッチン:IHへ切り替え、室内の発熱量を抑制
この仕様にすることで、室内温度を快適にできるかもと取り組みましたが、実際に住んでみて沖縄特有の「高温多湿」「風通し」「スコールみたいな豪雨」など、本土とは違う気候にフィットしきれてない部分も感じています。例えば、内窓をつけることで県道329号線沿いの部屋も外の音は全然聞こえないから静かだし、冬は本当に温かいし、日差しが入らなければ夏場のエアコンの効きもいい!でも沖縄の湿度ってやっぱり手ごわくて、湿度の高い雨の日なんかは窓がびっしょり。そんな時は、あえて内窓を開けて外気との温度差を調整し、室内ではなくて外側で結露させるようひと工夫必要になります。(これだけで、室内のジメジメ感はずいぶん違います。)他にも、全館空調は年中つけっぱなしなのでびっくりされますが、温度が安定すれば省エネ的にはとても優秀と言われています。ただ「どこも同じ温度」が裏目に出ることも。
・ほとんどLDKで過ごす私は快適でも個室にいる主人や息子は寒いor暑いと感じる
・脱衣室など短時間しか使わない場所まで空調を効かせる必要がある?
・機器が1台で全室賄う仕様なので壊れたら家全体に影響が出る
・天井埋込み型なので壊れた時の金額が恐怖&日々のメンテナンスもこれで合ってる?とちょっと不安

afterはこちら。ドアポストの凹凸がなくなって少し広く感じる!
そうした部分も、実際に住んでみてこそ気づくことだし、国のガイドラインや高性能設備、建材の性能だけでは省エネや快適性って、成り立たないなぁと感じる部分もあります。

外側はプレートの周りをパッキンで囲っているので気密性上がる!

内側からボルトで締めるので防犯上も安心です。

外側から見るとこんな感じ。
玄関はポストガード設置で少しだけ改善、次は「炭で湿気とニオイを取る作戦」を試してみようと思っています。省エネリノベマンションに住んでみての改善プロジェクト、まだまだ続きますが、実際に施工したから、住んでみたからわかるこんな地道な体験が、今後のリノベーション提案にもつながっていくはず!
RENOBEESは“Your Dream Our Charenge”を合言葉に、“あなたらしい暮らし”をデザインだけでなく、“住みごこちから想い”までを大切にいたします。
沖縄で多いRC造+本土仕様の省エネ設計を組み合わせた建物に暮らしてみて初めてわかること、気づくことが本当に多いです。YouTubeなどで紹介される高性能住宅の情報は、とても参考になります。ただ、その多くは本土の木造住宅の事例が中心。気候も構造も違う沖縄では、同じように取り入れてもうまくいかないことや、思わぬ課題に気づくこともあります。だからこそ、「そのまま真似る」ではなく、沖縄の気候や暮らしに合う形にアレンジして取り入れることが大切だと感じています。本日も最後までお読みくださりありがとうございました。